税理士の講座の選び方
予備校の講座の取り方についても簡単に説明します。税理士試験の場合、科目合格制をとっていたり、選択科目が豊富にあるので講座の採り方にも難しい面があります。
まず、何年で合格するか目標を立てましょう。税理士試験は科目合格制度をとっており、しかも一旦科目合格すれば永久に有効です。つまり、極端な話、10年かけて受かるという長期プランも可能なのです。勿論、1年で全科目合格することも可能です。1年で合格するのと10年で合格するのでは勉強方法も全然変わってきますし、採る講座が変わってくるのも当然でしょう。
次に、現時点での自分の実力を把握しましょう。具体的には、商業簿記の力がどれくらいあるかによって選択する講座が変わってきます。「簿財」と略されることもある簿記論と財務諸表論を学ぶには日商簿記2級レベルの商業簿記の力が必要です。この簿記論と財務諸表論は必須科目になっています。従って、誰もが学ばなくてはなりません。避けては通れない道です。
必須科目に日商簿記2級レベルの商業簿記の力が必要である以上、簿記初学者の場合、商業簿記から始める必要があります。従って、商業簿記から学べる講座を選択しなくてはなりません。或いは、税理士の講座の前に、日商簿記の講座を受けるという選択もあるでしょう。
日商簿記2級レベルの商業簿記の力が備わっている人は、税理士科目の勉強から始められる講座を選択できます。 このように、商業簿記の力がどれくらいあるかで選択する講座が変わってきます。全科目を学ぶか、科目別に学ぶかも講座選択の際のポイントです。また、答案練習会や模擬試験までパックになっているかも講座選択の際のポイントの一つです。これらの点について、自分でじっくり検討しましょう。そして、自分のプランにあった講座を選択します。予備校等の講座は、「2年5科目」とか、「1年3科目」などと具体的にプランを示したコースやパックになっているので、分かりやすいと思います。
どの講座を取ったらよいか分からない時は、自分で悩まず、窓口や電話で相談してみましょう。大抵の予備校では丁寧に個別応対してくれ、分かりやすく説明してくれるはずです。
何年で受かるかについて目標を定めるとき、注意点があります。自分の事情等を考えずに、無理に短期合格を目指すのは危険です。短い期間で合格しようとすればするほど、講座の密度も濃くなりますし、ハードな勉強も必要になってきます。
仕事をもつ社会人の場合などは特にそうなのですが、無理して講座を受けすぎたりすると息切れを起こしたり、講義についていけなくなったりしまいがちです。残業の有無なども考慮に入れて、多少のゆとりを持って講座を取るようにしましょう。予習と復習の時間も十分取れるような無理のないスケジュールを組むのが大切だと思います。